Web制作会社のルーキーを即戦力に変える実践型スクール「Web Designingルーキーズキャンプ」が開講

若手社員にいかに学びの機会を与え、質の高い実務経験を積ませて「戦力」へと変えていくか。世の多くの企業同様、Web制作会社にとっても人材育成は重要な課題です。
その一方で、日々の業務に追われる中、人材育成に十分なリソースを投入できていないところも少なくありません。

そこで、2001年の創刊からWeb制作の実務を支え続けた専門誌『Web Designing』は、「Web Designingルーキーズキャンプ」を創設。Web制作会社の若手従業員のスキルアップを目的とし、講義と課題、グループワークの組み合わせにより短期間で実務が学べる実践型のスクールです。

その第一弾として7月から行われる「Webディレクター養成キャンプ」の開講が迫る中、『Web Designing』プロデューサーの岡謙治さんと講師の嶋田智成さんに、開講の経緯やカリキュラムの内容などについて聞きました。

目次

学ぶだけに留まらない、確かな実力を身につける場を提供する

――まずはWeb Designingルーキーズキャンプ開講の経緯からお聞かせください。

岡謙治さん(以下、岡) :私は『Web Designing』の編集業務を通じ、長年にわたり多くのWeb制作会社の経営者やスタッフの人々と交流を深めてきました。その中で、特に近年よく耳にするようになったのが、「若手社員の教育に力を入れたいのだけれど、そこに投入できる十分なリソースがない」という声です。とりわけ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生した2020年以降、人材育成は多くのWeb制作会社にとってより大きな課題になっています。

 業務の性格上、Web制作会社は在宅勤務に移行しやすい環境であったことも手伝い、業界内には急速に在宅勤務が普及しました。中には、オフィス自体を引き払い、完全在宅勤務に切り替えた会社もあります。もちろん、業務自体はそれまでと変わりなく円滑に行われています。ただ問題となっているのが、従業員間のコミュニケーションです。特に若手従業員が先輩や上司に気軽に質問しづらい環境に置かれてしまっているケースが多いことは看過できません。上司や先輩が目の前や隣の席に座っていれば、分からないことや疑問があればその場ですぐ質問できます。でも、質問するためには時間の約束を取り付けたうえで、ミーティングアプリで行わなければならないとなれば、若手は年長者に対して気おくれしたり遠慮したりしてしまいがちです。上司や先輩としても、部下や後輩の仕事ぶりに細かく目を配り、的確にフォローすることが難しくなります。結果、若手が孤立してしまったり、成長が阻害されてしまったりする事態に陥ってしまう。そんな光景がしばしば見受けられるようになったのです。

 こうした状況を改善するために、私たちに何か手伝えることはないだろうか。そう考えた末にたどり着いたのが、『Web Designing』が創刊以来20年以上の歴史の中で培ってきた知見や人脈を投じた人材育成の場の提供です。こうして誕生したのが、「Web Designingルーキーズキャンプ」というわけです。

――Web Designingルーキーズキャンプの特長を端的に説明していただけますか?

岡:まずは、実践的なスキルを身につけることができるスクールだということです。業種を問わず、人材育成のスクールはすでに世にたくさんあります。どのスクールでも、参加者たちはたいていの場合、「すごく勉強になりました」「たくさんの学びが得られました」といった感想を口にします。でも、勉強したことや学んだ知識を実際の仕事に活かせている人はあまりいないというのが現実ではないでしょうか。それは、多くのスクールでは学んだことの活かし方までフォローしてくれないためです。だから、活かし方が分からない。

そうした事態にならないよう、Web Designingルーキーズキャンプでは、実際のWeb制作の場面で起こりえることを想定したシチュエーションでの学びを提供することに重点を置いています。例えば、参加者に事前に課題を提示し、それに取り組んでもらったうえで講義を行うという「反転学習」方式を取り入れているのも、その一環です。

また、若手のうちは目の前の自分の仕事を処理するのに精いっぱいで、その仕事がプロジェクト全体においてどんな役割を果たしているのか、にまで目を向ける余裕を失いがちです。Web DesigningルーキーズキャンプでWeb制作のスタートからゴールまでを経験してもらうことで、仕事の全体像に目を向ける意識を養ったり、自分なりのWeb制作のスタイルを構築するきっかけにもしてもらいたいですね。

Web Designing プロデューサー 岡 謙治さん

会社の垣根を超えた、若手Webデザイナー同士のつながりを築きたい

――ルーキーの殻を破るきっかけを提供したいということですね。他にはどんな特長がありますか?

岡:参加者間のつながりを深める仕組みづくりにも力を入れています。Web制作会社は一部の大規模なところは別として、新卒者の定期採用を行っていないところも少なくありません。そのため社内に同期はほんの数人、場合によっては一人もいない環境で働いている若手もいます。私は同じ仕事をしている同世代と触れ合うことによってしか得られない刺激や気づきは人を大きく成長させる原動力になると考えています。そんな価値ある体験ができる場に、Web Designingルーキーズキャンプをしたいのです。

そのためにカリキュラムはグループワークをふんだんに取り入れますし、講義を離れてもコミュニケーションを深められるよう全員参加のグループチャットも用意しています。Web Designingルーキーズキャンプで築いた人間関係が、すべての講義が終わって卒業したあとも継続し、参加者の皆さんの人生の糧になってくれれば、これほどうれしいことはありません。

これまでの「当たり前」から抜け出す広い視野を身につけてもらいたい

――続いて、Web Designingルーキーズキャンプの第一弾の講座として開催される「Webディレクター養成キャンプ」で講師を務める嶋田智成さんにお聞きします。「Webディレクター養成キャンプ」では、どのようなカリキュラムを用意されているのでしょうか。

嶋田智成さん(以下、嶋田): まず勤務先の現状を知ることから始めるようと考えています。どのような仕事を手がけているのか、プロジェクトはどういった進め方をしているのか、社内のデザイナーはどんなデザインが得意なのかといったことを調べてきてもらい、そのような環境の会社にこれまで自社ではあまり経験のない分野の仕事が入ってきたとき、Webディレクターとしてどう対応していくか。それを導入として、先ほど岡さんがお話しされたように、Webディレクターとして一つの案件の最初から最後まで、つまり企画立案から納品までのプロセスを体験してもらうプログラムを用意しています。それを通じて、これまでの仕事のやり方を見つめなおしたり、新たな気づきや発見を得たりしてもらいたいと思っています。

 世界で最初のWebサイトがイギリス人のティム・バーナーズ=リー博士によって公開されたのが1991年8月。以来、30年あまりの間にWeb制作のあり方は大きく変わっています。分かりやすい一つ例を挙げると、ツールの種類が格段に増えました。案件や業務の内容に応じたツールの選択肢が豊富になったわけですが、実際のWeb制作の現場では、以前から使い慣れているという理由だけで旧来のツールが使われ続けているケースがよく見られます。つまり、情報がアップデートされていない。あるいは情報としては知っているけど、新しいツールを導入したり習得したりするためのコストを勘案してのことなのかもしれません。でも、このWebディレクター養成キャンプを経験することで、若手が新しいツールに目を向け、積極的にスキルを習得しようとしたり、クライアントに提案したりできるようになれば、会社全体にもよい影響を波及できるはずです。

Webディレクター養成キャンプ 講師  嶋田 智成さん

クリエイティビティに“センス”は関係ない

――ツールを使いこなして、どんなものを生み出すのかというのも重要な点です。そこに関してはどのような講義が行われるのでしょうか?

嶋田:クリエイティビティに関わる部分ですね。この分野はセンスにフォーカスされがちで、実際、「自分にはクリエイティブなセンスが乏しい」と悩んでいる人もけっこういます。そうじゃないんだということを、このキャンプでは伝えたい。クリエイティブなWeb制作を実現するには、明確なノウハウがあるのです。簡単に説明すると、キーとなるのは、言語化です。デザインに込められた意図をきちんと言葉で説明できるかどうか。というのも、Web制作はクライアントの依頼のもと行われるものだからです。「依頼されたこういう意向を汲み取り、このような意図でデザインしました」と説明できなければ、評価の土台にすら上がれません。言葉で説明できないということは、感覚で仕事をしているということです。厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、感覚で仕事をしているうちは、いつまで経っても一人前にはなれないのです。

 先ほど岡さんが反転学習方式について話されていましたが、クリエイティビティを磨くうえでもこの方式は有益です。課題の意向を汲み取り、創意工夫しながら形にし、成果物についてどういう意向で制作したのか自ら説明し、評価を下されるという経験が、クリエイティビティを着実に育むことになります。また、他の参加者のプレゼンを聞いたりグループワークで共同作業を行うのも、貴重な経験になるでしょう。同じ課題を与えられても、人によって出てくるアイデアがずいぶん違っていることも珍しくありません。こんなアプローチもあるんだと発見することで、自身の「引き出し」もきっと増えるはずです。

――参加者が卒業後にどう変化・成長しているのか楽しみですね。

嶋田:私はこのキャンプを、ルーキーが殻を破ってベテランへの第一歩を踏み出す契機にしたいと思っています。若手の成長は勤務先にとっても間違いなく有益なことですから、経営者の皆さんや上司・先輩従業員の方々には、期待の若手従業員を快く送り出していただくとともに、キャンプでの課題などについて質問や相談を受けた際には、助力や助言を与えていただけるとありがたいです。

Web Designingルーキーズキャンプ「Webディレクター養成キャンプ」は、2024年7月と8月に開講します。
それぞれ先着30名の募集です。

「Web Designing ルーキーズキャンプ」をもっと詳しく知りたい!と気になる方のために、開講前説明会を開催しました。
詳しい情報を知りたい方は、下記から動画視聴をお申し込みください。
開講前説明会ご参加の方に、個別相談会をご案内します。個別相談会では、カリキュラムや参加費用のことなど、ご質問をお受けします。

Web Designing ルーキーズキャンプ:「Webディレクター養成キャンプ」開講説明会
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