Webデザインを一気に学ぶ!Webデザイナーになるには。

デザインによってWebサイトをより美しくみせたり、ユーザーにより使いやすくしたりするWebデザイナーの仕事は、Webサイトの訪問数や訪問者の満足度、さらには掲載商品の売り上げにまで大きく影響します。それほどWeb制作においてデザインは重要なファクターなのです。

Webデザイナー職に就くには、どのような知識とスキルが求められるのでしょうか。

「Web制作の経験はあるけれど、Webデザイナーの業務はよくわからない」

「Webデザイナーに必要なスキルって何?」

「Webデザイナーになることでどんなキャリアパスが開けるの?」

と思っている方や、これからWebデザイナーを目指す方に向けて、Webデザイナーの仕事についてまとめました。ここでは基本的な仕事内容や必要スキル、Webデザイナーになる方法など解説します。

目次

1.Webデザイナーとは?

Webデザイナーとは、その名のとおりWebサイトのデザインをする仕事です。Webサイトは企業のブランドイメージや製品の魅力、サービスの素晴らしさを世界中の人々に伝える手段であり、その品質はビジネスの成果を大きく左右します。

この章ではWebデザイナーへの理解を深めるため、以下の3つについて解説します。

  • Webデザイナーの概要
  • Webデザイナーの重要性
  • Webデザイナーの役割

それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

1-1.Webデザイナーの概要

Webデザイナーはクライアントと密にコミュニケーションを図りながら、その意図や要望をくみ取り、そのうえで見栄えよく、かつユーザーにとって見やすく使いやすいWebサイトのデザインに落とし込むのが役割です。
そういう意味では、プロダクトデザイン的な要素も強い仕事といえるでしょう。

1-2.Webデザイナーの重要性

Webサイトは自社の“顔”も同然。見やすく、使いやすいWebサイトであれば、それだけでその企業に対する印象がよくなります。それがECサイトであれば、売り上げにも好影響を与えるでしょう。
Webデザイナーの手腕次第で、クライアントの業績にも大きく貢献できると言っても過言ではありません。

1-3.Webデザイナーの役割

Webデザイナーの役割は、文字通りWebサイトのデザインをすることです。
具体的には写真の配置やフォントの選択、色彩の組み合わせなどを工夫しつつ、ターゲットとするユーザーの心に響くデザインに仕上げます。

しかし、それだけにとどまりません。フリーランスのWebデザイナーの中には、ディレクションやコーディングも自ら担う人もいますので、将来的にフリーランスを目指すのであれば、Webデザイナーとしてキャリアアップを図るうえでもWebディレクターやコーダーのスキルや思考を磨いておくと仕事の幅が広がりキャリアの可能性も拡大します。

2.Webデザイナーの主な業務

Webサイトの制作段階において、Webデザイナーはどのように業務を進めていくのでしょうか。以下にその概要を解説します。

2-1.クライアントへのヒアリング

Web制作の第一歩は、クライアントが何を望んでいるのか知ることです。どのようなコンセプトなのか、どの年齢層や性別をターゲットにしているのか、どんな成果を得たいのかなど、詳細なヒアリングを通じてクライアントの意向をしっかりと把握することが大切です。
ここで認識の齟齬が生じてしまうと、以降の業務を円滑に進めることが困難になりがちですので、疑問点があればその場で確認しておくことが欠かせません。

2-2.Webサイトの構成や大まかなデザインを決定

クライアントへのヒアリングで得た情報をベースに、Webサイトの構成や大まかなデザインを描きます。その際には見た目の美しさはもちろん、快適な操作性を意識したUI(ユーザーインターフェース)やそれによってもたらされるユーザーの体験(UX=ユーザーエクスペリエンス)などにも配慮することが求められます。

2-3.デザインサンプルの作成

大まかな構成・デザインがまとまったら、「Illustrator」や「Photoshop」などのグラフィックソフトを活用してデザインサンプルの作成に移ります。
デザインサンプルでは、Webサイトのメインビジュアルや配色、ロゴや画像、各メニューのアイコンの配置などがクライアントのイメージと合致しているか確認されます。

2-4.コーディング

デザインサンプルについてクライアントの合意が得られれば、HTMLやCSS、JavaScriptなどのWebサイトを構成する言語を用いてコーディングを行います。なお、コーディングは通常、「コーダー」と呼ばれる職種の人が担当します。
とはいえ、Webデザイナーがコーダーを兼ねるケースも少なくないので、コーディングの知識やスキルを高めておいて損はないでしょう。

3.Webデザイナーに求められる知識とスキル

Webデザイナーには求められる知識やスキルがいくつかあります。主に以下の5つが該当します。

  • グラフィックソフトの知識
  • デザインスキル
  • HTML、CSSスキル
  • マネジメントスキル
  • Webマーケティングの知識

それぞれのスキルについて詳しく解説していきます。Webデザイナーを目指す人はぜひ参考にしてください。

3-1.グラフィックソフトの知識

Webデザイナーになるうえで絶対に欠かせないのが、IllustratorやPhotoshopなどのグラフィックソフトへの広範な知識とそれらを使いこなすスキルです。これらがなくては、どんなに素晴らしいデザインやアイデアを思い付いたとしてもそれを具体化することができません。

また、グラフィックソフトには流行があり、しばしばアップデートも行われるので、常に最新の情報をキャッチしようとする姿勢を忘れないようにしたいものです。

3-2.デザインスキル

デザインに関する知識やスキルもWebデザイナーには欠かせない要素です。一般的にデザインはセンスがものをいう世界と思われがちですが、実は広く深い知識とそれらを自在に使いこなすスキル、そしてクライアントにデザインの意図を的確に伝えるコミュニケーション力のほうが重要なのです。

3-3.コミュニケーション力

デザインを見ただけでそこに込められた意図や目的を的確に把握できる人は思いのほか多くないものです。特にクライアントはデザインに関しては門外漢であるケースも少なくないため、それらを相手に理解しやすい言葉で伝える必要があります。

また、Web制作は多くの場合、チームで行われます。チームの一員としてほかのメンバーと円滑にコミュニケーションがとれるかどうかは、プロジェクトの進捗にも大きく関わってきます。こうした理由から、Webデザイナーとして活躍していくにはコミュニケーション力も無視できない要素といえます。

3-4.HTML、CSSスキル

コーディングなどのプログラミングスキルは、Webデザイナーに必須というわけではありませんが、将来のキャリアの可能性を広げる意味でも身に付けておきたい要素です。代表的なのは、テキストや画像などのレイアウトに関連するHTML、テキストや画像の配置、フォント、文字サイズ、色などを設定するCSS、Webページの動きを表現するJavaScripといったプログラミング言語です。

プログラミング未経験の人にはこれらをマスターするのは高いハードルのように感じられるかもしれませんが、地道に勉強さえすれば意外に早く習得できるものです。

3-5.マネジメントスキル

Webデザインは一人のデザイナーが最初から最後まで単独で担うケースはそれほど多くありません。クライアントをはじめ、社内の上司や先輩、後輩たちと密にコミュニケーションしながら進めていく場合がほとんどです。そのためコミュニケーションやマネジメントに関するスキルも磨いておくべきでしょう。

特にマネジメントスキルは将来のキャリアアップにも役立ちます。部下を指導したり進行管理を担ったりする経験は、社内での評価が高まるのはもちろん、転職の際にも有利に働くことは確実です。

3-6.Webマーケティングの知識

Webマーケティングの知識は、Webデザイナーに必ずしも求められるものではありません。しかし、マーケティングに習熟していれば、どのようなターゲットにどんなデザインが好まれるかといった観点からもデザインを考えることができるようになります。

また、自分がデザインしたWebサイトの公開後にアクセス解析などの情報を提供することも可能になるでしょう。Webデザイナーとしての評価や信頼を高めることにつながっていくはずです。

4.Webデザイナーを目指す方法

Web制作会社に就職するにしても、フリーランスとして活動していくにしても、Webデザイナーとして働くにはそれなりの知識・技術が必要です。
では、どうすればそれらを身に付けることができるのでしょうか。選択肢はいくつかあります。以下、代表的な4つのコースについて解説します。

4-1.書籍や動画などを参考に独学する

Webデザインの関する書籍は数多く出版されていますので、それらを読んで知識やスキルを学ぶことができます。また、YouTubeなどの動画サイトでは、プロのWebデザイナーがWebデザインのノウハウを解説してくれる動画もたくさん投稿されているので、それを参考にするという方法もあります。

独学で特に重要なのは、知識をインプットするだけでなくアウトプットする機会を意識的に設けるようにすること。インプットした知識を生かしながら、パソコンで自分なりに習作を繰り返して練度を高めていくことで、より実践的な学びを得ることができます。

さらにそうして制作したデザインをまとめたファイルやポートフォリオサイトをつくっておけば、自分のスキルをアピールすることができ、就職やフリーランスとして活動する際に役立つこともあります。

独学の欠点としては、モチベーションの維持が難しいこと、自分の実力の客観的評価が得られにくいことなどが挙げられます。

4-2.専門学校やスクールを受講する

専門学校やスクールに通うことは、独学では得られないメリットを享受することができます。独学ではそもそも何をどう学べばいいのかがわからなかったり、自分の学習の進捗状況をうまくつかめなかったりといった理由で挫折してしまう人も少なくありません。専門学校やスクールであれば、勉強で困っていることや悩んでいることがあればすぐに相談して適切なアドバイスを受けることができます。また、周囲に同じ志を持った仲間がいるため、切磋琢磨できる環境がモチベーションの維持しやすくしてくれます。

専門学校やスクールは、コースによって違いはあるものの、ほとんどの場合、卒業までの期間は1~2年程度なので早くWebデザイナーとして活動したい人にもおすすめです。また、最近はオンライン講座を開講している専門学校やスクールも多く、適当な専門学校・スクールが近隣にないところに住んでいる人でも受講することが可能です。

4-3.大学で学ぶ

大学でもWebデザインを学ぶことができます。大学で学ぶメリットは、デザインだけでなく一般教養など学びの幅が広いこと。また、就職のサポートを手厚く行ってくれる傾向があります。ただし、Webデザインを専門的に学べる大学はそれほど多くはなく、美術系大学などに限られます。専門学校やスクールと異なり、オンライン授業のみで卒業可能なところはほぼないのが現状です。そのため、通学が可能かどうかも考慮する必要があります。加えて、卒業まで4年間通学することになるので、できるだけ早くWebデザイナーとして活動したい人にはその点もデメリットとなる可能性があります。在学期間が長い分、学費も相応に高くなります。

4-4.資格を取得する

Webデザイナーとして働くうえで、資格は必ずしも必要なものではありません。しかし、資格を取得しておくことで、就職する際やその後のキャリアアップで優位に働くケースは少なくありません。また、資格の勉強をすることでデザインに対する理解をより深めることができ、Webデザインに関する知識やスキルの向上にも大いに役立ってくれるはずです。

5.Webデザイナーのキャリアアップに役立つ資格

Webデザイナーとして仕事がしたい、キャリアアップを目指したいという人におすすめの資格をいくつか紹介します。

5-1.ウェブデザイン技能検定

ウェブデザイン技能検定は、国家検定制度である技能検定制度の一つです。試験は実技と筆記があり、Webデザインに関する知識・技能、実務能力などが問われます。

等級は1~3級が設けられており、3級は誰でも受検できますが、2級と1級の受検には実務経験が必要とされます。1級の合格者には厚生労働大臣より、2級と3級の合格者には主催者である特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会よりWebデザイン技能士の合格証書が贈られます。

5-2.Webデザイナー検定

Webクリエイター能力認定試験は、公益財団法人画像情報教育振興協会が主催・認定しています。コンセプトメイキングなどの準備段階からはじまり、デザインの実作業、テストや評価、運用に至るまで、Webデザインに必要な多様な知識の習得を評価する検定です。試験は筆記のみで実技はありません。特別な受検資格はなく、誰でも受けることができます。

5-3.Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイWeb利用・技術認定委員会が主催・認定する民間資格試験です。この試験では、Webサイト制作におけるデザイン能力とWebページのコーディング能力が認定されます。

初級・中級者向けのスタンダードと上級者向けのエキスパートの2種類が用意されており、スタンダードは実時のみ、エキスパートは実技と筆記で受験する方式です。

5-4.HTML5プロフェッショナル認定試験

NPO団体のLPI‐Japanが主催・認定するHTML5プロフェッショナル認定試験は、HTML5、CSS3、JavaScriptなど最新のマークアップに関する技術力と知識を認定する試験です。マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎力を測るレベル1と、システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計する能力を認定するレベル2で構成されています。

公式ホームページ上で学習に役立つ例題概説付きメールマガジンを定期発行するなど、受験者のサポートにも積極的に取り組んでいます。

5-5.ITパスポート試験

ITパスポート試験は情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づいて情報処理推進機構(IPA)が実施、経済産業省が認定する国家試験です。

ITに関する基礎知識を問う国家試験と位置づけられており、大きく分けて3つの分類から出題されます。すなわち、法務や経営戦略に関するストラテジー系、開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどに関するマネジメント系、IT技術に関するテクノロジー系です。受検資格は特になく、誰でも受けることが可能です。

6.Webデザイナーのキャリアパス

Webデザイナーのキャリアパスとして代表的な職種は、WebディレクターとWebプロデューサーの2つが挙げられます。

6-1.Webディレクター

Webサイトの制作全体を取り仕切る監督的なポジションを担うのがWebディレクターです。クライアントの希望や要求を設計に落とし込み、プロジェクトをコントロールしながらWebサイトの完成へと導きます。

Webデザイナーとしてのキャリアで培ってきた知識やスキルを活かせる場面も多く、実際、WebデザイナーからWebディレクターへとキャリアアップを図る人は少なくありません。

6-2.Webプロデューサー

WebプロデューサーはWebディレクターの上位職であり、プロジェクト全体を統括する役割を担います。業務の性格上、プロジェクトのスタート時から案件に携わることになるため、クライアントや外部スタッフとのやりとりも多くなり、コミュニケーション力や調整力、各種リソースの管理能力なども求められます。

Webサイト制作における最上位の職種であり、Webディレクターとして経験を積んだのち、Webプロデューサーにキャリアアップする人も多くいます。

7.まとめ

本記事では、Webデザイナーの役割やWebデザイン業務の概要、その実践のために必要なスキルなどについて詳しく解説してきました。Webデザイナーは、Webサイト制作においてプロジェクトの中心を担う重要な存在です。サイト設計や構築をはじめ、多岐にわたる業務を担います。そのため、デザインセンスだけでなく、コミュニケーション力、マネジメント力、Webマーケティングなどの幅広い知識や高度な能力が求められます。

「Web Designing ルーキーズキャンプ」では、現役のWebデザイナーが講師となって、実務に役立つ知識とノウハウを惜しみなく提供します。また、実際の業務を想定した課題に取り組み、デザイン業務の疑似体験をしてもらいます。疑似体験を通じて業務の一連の流れを経験することによって、Webデザイナーのスキルが身に付きます。

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